経営戦略で重要な「ドメイン」
UNOGAメンバーの荒井です。
前回の記事では、
言葉だけだとわかりづらい「経営戦略」が
何のために必要なのか、
どういった役割を果たしてくれるのかについて
その種類とともに書きました。
今回はその経営戦略をより具体的にイメージいただけるよう
その構成要素のひとつである「ドメイン」という考え方と
「ドメイン」がどのように機能しているかについて
具体的な企業事例をもとにご紹介します。
「ドメイン」とは
インターネットでも「ドメイン」という用語があり、
聞いたことのある方もいらっしゃると思います。
インターネットの「ドメイン」は「住所」という意味合いで使われていて、
このブログが掲載されているホームページのアドレスでいうところの
「THIN-TREE.COM」 が該当します。
経営戦略におけるドメインはこれとは違い、
「事業領域」や「活動領域」といった意味になります。
企業が経営戦略を立てる際に、
このドメインを決めておくことで、
・何をもとに意思決定するのか、
・どういった経営資源を必要とするのか、
・組織の目的は何か
といった共通認識を持てるようになります。
「タニタ」のドメイン変化と事業変化
ドメインがどのように機能しているのかを
具体的にイメージできるよう
タニタの事業の移り変わりとドメインの変化について
確認していきます。
タニタは体重計や体脂肪計などの
計測器を作るメーカーとして知られています。
また「タニタ食堂」のように、
健康的な食事を提供する事業でもよく知られています。
ほかには「タニタフィッツミー」という
フィットネス教室を40店舗ほど展開し
健康づくりの事業も展開しています。
体重計を作っていたタニタが
なぜ食堂や教室を展開し、
健康に深く関わる事業を行うようになったのでしょうか。
体重計だけを作っていたころのタニタのドメインは
「体重をはかる」でした。
その後、医師から言われた、
「肥満は体重が重いことではなく、脂肪の量が多いこと」
という言葉を参考に
世界初の体脂肪計を発売し、
体脂肪をはかる文化も作っていきました。
このころのタニタのドメインは、
「体重をはかる」
から
「健康をはかる」
に変わっています。
その後、体脂肪計の特許が切れると他社との競争が激化します。
体重をはかり、健康をはかってきたタニタは
「健康をつくる」というドメインを設定します。
そして具体的な事業として展開されたのが
「タニタ食堂」やレシピ本の発売などです。
このように、
どのようなドメインを設定するかによって企業の活動領域が決まり、
意思決定が明確になり、
経営資源を整備し、
組織の目的がはっきりとします。
ちなみにタニタの経営理念は
タニタは、「はかる」を通して、世界の人々の健康づくりに貢献します。
経営戦略は、経営理念とも一貫していることがわかります。
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