経営戦略を学ぶべき方
どういった方が経営戦略を学ぶ必要があるか
多くの方、特に企業に雇用されている方は、「経営戦略なんて経営者が学ぶものであって、自分には関係ない、知る必要もない」といったことを考える方も多いのではないでしょうか。
確かに業務の内容によっては、経営戦略とは縁の薄い方もいらっしゃることは否めません。しかし、経営企画部のように企業の経営に直接関わる部署におられない方でも、経営戦略を学ぶことによってご自身の業務による成果を向上させるといった方も多くいらっしゃいます。
では、経営戦略を学ぶべき方というのはどういった方でしょうか。それは、①自社の経営戦略を理解し、社内(部下)に指示を出す立場の方、②顧客や顧客の競合の経営戦略を理解しておく必要がある方です。
①自社の経営戦略を理解し、社内(部下)に指示を出す立場の方
具体的な例として、企業の管理職の方々が挙げられます。企業の経営戦略は、企業そのものの動きだけでなく、末端の従業員まで一貫してものであることが求められます。管理職の業務は、自身の管理する範囲において会社の戦略を浸透させ、徹底させることです。業務の管理も部下の育成も、戦略に基づいたものであることが求められます。管理職自身が企業の経営戦略を理解する必要があり、そのためにも経営戦略を学ぶことが求められます。
例えば、企業の部長であれば、企業全体の戦略を自分が管理している部に反映させる必要があります。企業全体の戦略が分からなければ、部の方向付け、行動、部下の教育といったことはできません。また、自身が管理する部だけのことを考えれば良い訳ではなく、会社全体のことを考えた上での判断でなければならないはずです。
②顧客や顧客の競合の経営戦略を理解しておく必要がある方
こちらは様々な業務に従事されている方が考えられますので、いくつか例をご紹介いたします。
一つは、金融機関で法人の融資に関連している業務に従事されている方々です。金融庁が金融機関に対して、融資の判断の際には財務情報、担保や保証ではなく、事業性による評価を推奨しています。経営戦略について知識がなければ、行内で稟議を作成する場合や融資の是非の判断を行う場合において、事業の内容や成長可能性といった事業性について、適切に評価を行うことが難しいことはご理解いただけると思います。
他には、商品やサービスを企画する方も経営戦略を学ぶ必要があると考えられます。商品・サービスを開発するにあたっては、自社の戦略に基づく必要があるということだけではありません。市場には競合の商品・サービスも存在している訳ですから、その競合の戦略を理解することで、競合のものと差別化された商品・サービスを企画することができる確率が高まるはずです。その結果、競争を回避し、企業の収益性に大きな影響を与えます。
その他の経営戦略を学ぶ必要がある方の例として、デザイナーの方々も挙げられます。デザインとは感性で行うものと思っていて、経営や戦略とは無縁と思われていらっしゃる方も多いかもしれませんが、慣性の前にまずロジックです。誰に対してどういったイメージを伝えたいのか、それをどう見せると効果的なのかというロジックがあって、形にする時点でデザイナー個人の持つ感性の出番となります。企業に依頼されて名刺、会社案内、パンフレット、Webサイトなどのデザインを適切に行うには、クライアント企業や競合のことを理解している必要があります。
経営戦略を学ぶには
いくつかの例を挙げさせていただきましたが、これら以外の業務に従事されている方でも、経営戦略を学ぶ必要があると思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。同様に、自社の従業員の方々に経営戦略を学んでほしいと思われた経営者様や管理職の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、経営戦略を学ぶと言っても、どのようにしたら効率的に学ぶことができるのかと思われたかもしれません。
最初に思いつく方法として、書籍によって学ぶということが考えられます。しかし、経営戦略の知識がないのに、自分に合った書籍をどうやって選べば良いのか、どのように判断すれば良いのかということがボトルネックになります。
また、経営者様や管理職の方であれば、従業員の方々に経営戦略を学んでほしいと書籍を渡しただけでは、誰も読まないとお思いになったかもしれません。
まずは、とっつきやすいビジネスゲームで経営の疑似体験をしながら、経営の概要を体感していただくというのはいかがでしょうか。
ビジネスゲームは個人で行っても良いですが、企業が従業員研修として行うというのもお勧めです。 しかる後に、自分に必要なことを書籍で学べば、いきなり書籍から入るよりも効率的に経営戦略を学ぶことができると考えられます。一度、ビジネスゲームについてご検討されてはいかがでしょうか。
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