成長戦略を考えるときのフレームワーク
UNOGAメンバーの荒井です。
経営戦略の重要性や、
経営戦略を考えるときに
「ドメイン(事業領域、活動領域)」
を決めておくことで
・何をもとに意思決定するのか
・どういった経営資源を必要とするのか
・組織の目的は何か
といった共通認識が持てることを
ご紹介しました。
実際にドメインを定めたら、
どういった市場で製品、サービスを展開していくかを
決めることになります。
このとき、外部環境、例えば競合の状況や市場の変化、
法規制や技術動向などを考慮し、
その上で内部環境、自社の経営資源や強み、弱みなどを踏まえて
市場を選択し、商品・サービスを検討していくことになります。
今回は市場の選択や商品・サービスを検討にあたって
考えを整理するためのフレームワーク(思考の枠組み)をご紹介します。
アンゾフの成長マトリクス
ご紹介するフレームワークは
アンゾフの成長マトリクス
です。
製品と市場の2軸を設定し、さらにそれぞれ「既存」と「新規」に分けて
これらの組み合わせごとに戦略を検討します。
それぞれの戦略を解説していきます。
「市場浸透戦略」
既存市場に既存製品を展開します。
売上高や市場シェアの拡大を図ります。
比較的リスクは小さく、製品の認知向上や購買意欲を高めるために
プロモーション活動や価格の見直しなどが図られることが多くあります。
「新製品開発戦略」
既存市場に新規製品を投入します。
ニーズに対応した製品、サービスを開発することで他社との差別化を図ります。
「市場浸透戦略」では進展させることが難しい状況を
打開する手段のひとつといえます。
「新市場開拓戦略」
新規市場に既存製品を投入します。
既存製品の海外展開を図るなどエリアを拡大するような場合だけでなく
利用方法を見直したり、新たな価値を提案したりすることで
新たな市場を創出する場合もあります。
これまで朝・夜2回だった歯ブラシ習慣を、
オフィスでのランチ後の歯ブラシを習慣化させ、
利用回数を増やすことに成功した日用品メーカーの事例も
新市場開拓戦略の一例といえます。
「多角化戦略」
新規市場に新規製品を展開します。
経験の薄い市場に新しい製品・サービスで挑戦するため
非常に高いリスクがあります。
とはいえ、「ドメイン」で定めた事業領域で
自社の経営資源や強みが生かせると判断したときには
果敢に挑戦する企業も少なくありません。
富士フイルムが写真フィルムのコア技術である
ナノテクノロジーやコラーゲン研究を生かし、
化粧品事業に参入したのは有名な事例です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
成長戦略を思考するアンゾフの成長マトリクスで
市場と製品・サービスの視点から
成功のヒントやリスクがあるのかを
確認することができるのではないでしょうか。
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