経営戦略は不要なのか?
UNOGAメンバーの荒井です。
以前、別のブログでも取り上げられたテーマ、「VUCA」
変化が激しく(Volatility:変動性)
不確実で(Uncertainty:不確実性)
さまざまなことが複雑に絡み(Complexity:複雑性)
その意味するところははっきりとせず曖昧・・・(Ambiguity:曖昧性)
そんな時代に、経営戦略を立てても時間を浪費してしまう
という声も出始めているようで
最近は「戦略不要論」まで聞こえるようになってきました。
ただ、全ての企業で経営戦略が機能せず、不要なのかというと、
決してそんなことはないと思います。
今回はその理由について、整理したいと思います。
経営戦略が不要と考えられ始めた背景
もともと経営戦略は、
経営計画を立てることそのものを意味していました。
そこに「市場」や「競合」、
「成長」や「差別化」といった要素が含まれるようになり
さまざまな戦略論が語られるようになったわけです。
にも関わらず「戦略不要論」が出てきた背景には、
計画や戦略を立てても、
VUCA時代ではうまくいくかどうかも見通せないので、
まずはやってみて、失敗したら修正する
この方がスピーディで合理的だと考えられたためです。
経営戦略が不要になるとき
トライ&エラーを繰り返すこの方法は
確かに早くゴールに近づけるような感覚があります。
ただし、トライ&エラーには落とし穴もあります。
トライ、つまり「まずはやってみる」とき、
経営者が実行するのであれば、
自然と経営方針と一致したことを実行することができます。
一方で、経営者が全てを実行できるとは限りません。
事業が大きくなり、組織が大きくなれば
専門性が求められ、関わる人も多くなります。
当然、経営者が全てを行うことは難しく、
誰かに任せることになります。
そんなに小難しい話でなくても
単に忙しくて手が回らないので誰かに任せる、
そんな場面もあるかもしれません。
このようなとき、
経営方針と実行内容が一致しなくなる恐れがあります。
だからこそ、経営戦略を立て、
経営者の考えや方針、進んでいく方向を
広く浸透させていく必要があるわけです。
言い換えると、
経営戦略が不要になるのは、経営戦略が十分に浸透しているからこそ。
経営戦略について学び、戦略脳を鍛えることは、
企業経営において避けては通れない道ではないでしょうか。
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